ペアリング・産卵から始まり、完全変態の真骨頂!飼育で最も緊張感高まる段階が『蛹化』『羽化』です。失敗すると★になってしまうこともあります。
前蛹 蛹室
幼虫から蛹になる事を『蛹化(ようか)』と言います。
幼虫飼育でご紹介した通り、幼虫が蛹になる前に『蛹室』という空間をマット内に作ります。
上の写真はオオクワガタの『蛹室』です。クワガタは20°程度の傾斜で体の2倍程度の長さ、幅の空間です。
カブトムシは直角に近い縦の空間を作ります。
体液?糞?尿?で固まっていて、ちょうどチョコエッグの感じです。
蛹室を作り、8日する直前の幼虫の状態を『前蛹(ぜんよう)』と言います。
前蛹になると幼虫の色が茶色になり、あまり動かなくなるので何度か経験しているうちに『そろそろかな?』とわかるようになります。
蛹化
頭の部分から脱皮が始まり蛹になった直後はかなり白いです。
ちなみにオオクワガタ オスの蛹は写真のように顎が折りたたんであります。
ニジイロクワガタのオスはこんな感じ(カブトムシ)なので種類によって違うんでしょうね?
段々と色は濃くなってきます。
色が濃くなってきた段階でうまく蛹室が作れていない。蛹室の場所が悪い。蛹室を壊してしまった。などの場合、『羽バカ』などの『蛹化不全』になる事がありますので割り切って『人工蛹室』にする方がいい場合があります。
人工蛹室(カブトムシ)
1.トイレットペーパーの芯を適当な長さに切る。
2.縦に切る。
3.瓶の底にマットをひく。
4.下の写真のように2を置く。
5.切っていないトイレットペーパーの芯を中に入れて、周りにマットを入れる。
6.すりこぎ棒などで周りを押し固める。
7.内側のトイレットペーパーの芯を抜く。
8.できあがり
9.そっと蛹を入れる。
結構雑でも大丈夫です。
人工蛹室(クワガタ)
花屋さんで通称『オアシス』という 吸水性フォーム素材を買ってきます。100円ショップにもあるそうです。
1.ざっくりとカッターで切る。
2.スプーンなどでホジホジ 指でホジホジでもできる
3.それっぽく形を整えて
4.水を含ませて、そっと蛹を入れる。
これも結構雑でも大丈夫です。
羽化
蛹化から1ヶ月程度で『羽化(うか)』します。完全変態最終章です。
羽化直前の蛹は頭の部分がかなり濃くなるのでわかりやすいです。
羽化後の状態は種類に関わらず、羽、正式には『上翅(じょうし)』の色が白から徐々に濃くなっていき、『下翅(かし)』が上翅に収まっていきます。
上翅が閉まらない。下翅がはみ出ている。など通称『羽バカ』は蛹室の状態が悪いなどで発生する『羽化不全』では多い事例です。
成虫・後食
無事羽化できておめでとう!なのですが、本当の意味で『成虫』とは『後食(ごしょく)』という最終イベントがあります。
『後食』とは、蛹から羽化して成虫になった後、餌を食べはじめることをいいます。
完全変態のカブトムシやクワガタは、すぐにエサを食べることができません。蛹室(ようしつ・蛹になった空間)でジッとしているんです。羽(下翅)や外殻(がいかく・外側の部分・上翅)を乾かして硬くなるようにしたり、まだ不完全な身体の器官を成熟させたりするための時間なんです。
『後食』後、成熟した成虫として繁殖することができるようになります。
この間の飼い方は成虫の飼い方で問題はありませんが、餌は食べませんが餌を置いて様子を見てください。
後食期間の目安
気温など環境などで差はあるようですが下記が目安です。
カブトムシ 1週間~2週間
オオクワガタ・コクワガタ・ノコギリクワガタ・ミヤマクワガタ 1ヶ月~3ヶ月
自然環境に於けるノコギリクワガタ・ミヤマクワガタはそれ以上の期間(冬をまたぐので)、土の中に居るので実際にはもっと長くなります。
以上がカブトムシ・クワガタ 蛹化~羽化~成虫の飼い方でした。大切に育ててください!
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