ギタリストへ津軽三味線のすすめ

【サウンドハウス】べっ甲風津軽バチ

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ギタリストが津軽三味線を始めるにあたって、メリットとデメリットを考えてみました。(異論は認めます。)

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楽器としての大きな違い

・弦(糸)の本数

・フレットの有無

構造や細かい箇所に違いは多々ありますが、大きな違いはこんなものでしょう。これだけ見ると 三味線=バイオリン等 になってしまいますが、気にせずに先に進みます。

奏法の違い

楽器の成り立ちが大きく違います。ギターは『リズム(和音)楽器』、対して三味線は『メロディー(単音)楽器』。現在のギターは『メロディー(単音)楽器』 としても成立していますから、違いとは言えませんが、三味線には和音の概念はほとんどありません。

奏法的な大きな違いを3つほど

・三味線は撥を使う。ギターと同じくピックを使う沖縄三線がギタリストに人気なのは、これが最大の理由だと思います。撥の使い方は三味線のジャンルや流派により違いはありますが、津軽三味線は撥を使った『スラップ』をイメージすると近いです。

・三味線はネック(棹)を握らない。弦(糸)の本数が少ない分、左手は長手方向の動きが非常に多いのが特徴です。左手には親指と人差指の間に毛糸で編まれた『指スリ』を装着します。親指はほとんどネック(棹)に触りません。

・ビブラート 三味線では『ユリ』と言います。ロック系ギターの『ドアノブ回転式ビブラート』は使いません。クラシック系ビブラートに近いですが、より移動距離が大きいのでジョージ・リンチの『ジャックオフ・ビブラート』が一番近いです。

ギタリストが津軽三味線を始めるにあたりメリット は?

・弦楽器に対する抵抗感の低さ

左手の指が自由に動く まず、この2点は大きいです。自分が始めてギターに触った時を思い出してください。

結構弾けてしまうフレットレス 普段からフレットの半音階が身についていますから、半端な箇所では気持ちが悪いです。チョーキングで正確に半音・1音・1音半と出来る人であれば問題なく弾けてしまいます。

・わかりやすい調弦(チューニング) 三味線は唄い手さんのキーに合わせて調弦を変えます。また、曲によって大きく3種類の調弦があります。ここまで聞くと複雑に感じますが…

津軽三味線で最も多い『二上り』調弦は、『1の糸』(太い糸 ギターとは逆です。)を『C』(和楽では『2尺』または『4本』と言う。)にした場合、1の糸から『C』『G』『C』と合わせます。そうです。5度とオクターブのパワーコードです。馴染みやすいですね!

『本調子』と言われる調弦 『 二上り』が『本調子から2の糸を1音上げる』なので『2の糸』を1音下げます。『C』『F』『C』になります。

『三下り』 と言われる調弦は『本調子から3の糸を1音下げる』なので『C』『F』『B♭』になります。 気が付きましたか?そのまま、『E』までシフトすると『E』『A』『D』

そうですね!ギターの6/5/4弦または5/4/3弦と同じです。その理屈で見ると『本調子』は『6弦1音ドロップ』と同じです。身近に感じてきませんか?

『サワリ』はディストーション? 三味線には『サワリ』と呼ばれる機構があります。ギターでは『ビビリ音』なのですが、『1の糸』の1箇所にビビる箇所があり、倍音が発生、独特の『ビィーン』と言う音になります。『2の糸』『3の糸』は直接『ビビリ音』はありませんが『1の糸』が共振して倍音が聞こえます。

津軽三味線など一部の三味線は『東サワリ』という、サワリをネジ式で調整する機構があります。まさに『ディストーション・ツマミ』を操作する感じなんです。

『津軽じょんがら節』は『ペンタトニック』 津軽三味線では『じょんがら』で始まり『じょんがら』で終わると言っていいほどの曲です。『津軽じょんがら節』に限らず『ペンタトニック・スケール』の曲が非常に多いです。

どうですか?津軽三味線に『ロック』を感じるのは当然の事な気がしませんか?

ギタリストが津軽三味線を始めるにあたりデメリット は?

・ギターの癖が抜けにくい これが唯一にして最大の問題かな?と思います。先に挙げた『奏法の違い』の3つが克服できれば、そこそこの『津軽三味線プレーヤー』です。まぁ、これが大変なのですが、克服すればギターの腕前も上達すると思います。(保証はしませんが)

他にも『和楽と洋楽の違い』や『指導方法』の違いなどあります。

津軽三味線を『楽器』として捉えるとロックとの融合性が非常に高く。 『和楽と洋楽の違い』 が音楽の幅を広げることでしょう。

ただし、『合奏楽器』としては弱点・欠点も多々あります。その部分をこのブログを通して解消できればと考えています。

(追記)2019/6/22

三味線を欠陥楽器と言っている訳ではありません。むしろ様々な場面で『よく考えられた楽器である。』と感心させられる事が非常に多く、先人の知恵と職人の努力に感謝します。

そして、弱点的な部分をカバーする事は、奏者の『腕の見せ所』的要素がある事も、面白さであります。

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