まずは知識として、もしくは購入する時の参考として『楽器としての津軽三味線』が他の三味線とどう違うか?『見た目でわかる違い』についてです。
太棹
棹の最上部(天神側)の棹幅(面幅という)が基本は一寸(約3.03cm)以上である。重ね(棹の厚み)は3.4cm程度が標準の様ですが、いろいろ有るようです。(私が現在所有しているだけで3種類ありました。3.15cm/3.40cm/3.61cm 私は一番厚いのが気に入っています。)小柄な人用に九分五厘(約2.88cm)など中棹分類に入るサイズのものもある。
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五分大胴
標準の三味線(長唄三味線)に対して五分大きい。長手(縦)約21.2cm、短手(横)約19.5cm、重ね(高さ)約10.0cm 五分以上大きいものもある。一般的に他の三味線より丸みを帯びていることが多い。棹同様に小柄な人用に四分大胴のものもある。これは胴の丸みが少ない。
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鳩胸ではない
鳩胸とは胴に近い部分の棹が滑らかな曲線を描いているもの。(太棹で鳩胸は義太夫三味線です。)
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東さわりがある
津軽三味線では必ずあります。しかも、角型。民謡三味線にもある場合多いですが、後から加工しているため丸形が多いです。一部のメーカー等で入門向け津軽三味線と称して東さわりが無いものを販売していますがオススメしません。
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皮のコキ付け部が広い
皮が胴の縁に1センチから2センチほど余分な部分がある。厚い皮を強く張っているため、他の三味線より接着面を増やしている様です。
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リンドウ金具がある
津軽三味線と義太夫三味線は必ずあります。東サワリ同様に入門向け津軽三味線と称して付いていないものを販売していますがオススメしません。 一部のメーカーや三味線屋さんでは補強や装飾としか見ていないようですが、音響関係機器の設計をしている私に言わせれば金物同士の接触=共振周波数がある。これは通称ビビリ音と言って、ある一定の振動(音も含む)に対して、物質同士が振動して音を発する事です。要するに東サワリと同様に倍音効果がある。と考えるのが普通ですが?
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全長100cmより大きい
101cm~103cm程度でしょうか?他の三味線は正寸で96cm~100cm程度なので、100cm以下は津軽以外、もしくは津軽の短棹です。
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曲尺上面が100cmライン
糸巻きが太い
糸巻きの外側部分のサイズが八分(約2.4cm)~九分(約2.7cm)を付ける場合が多いです。
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撥皮は長方形型
長唄三味線などは半円型
まとめ
1~7は絶対条件と言っても良いでしょう。1~2は小さめに製作されたものが例外としてありますが、ギターでも手が小さくても本当に指が届かないなんて人は出会った事がありません。(挫折した言い訳で言う人はたくさんいますが…『Fが押さえられなくって…』ってやつね!) 小学校低学年以下の子供やそのレベルの体格の方以外は普通のサイズを選んだほうが良いと思います。
(2018/8/26追記)三味線亀屋さんのブログによると小学生になれば普通の三味線でも扱えるようです。 https://e-kameya.com/blog/?p=1793
また、8~9は後から変えることはできるので条件にはなりませんが、わざわざ細い糸巻きや半円型撥皮にする人はいないと思うので目安にする分には問題ないでしょう。
メーカー品も含め、『津軽三味線』と称しているからと言って飛びついてはいけません。ましてや、オークションなど現物確認できない場合は要注意です。民謡三味線など他の三味線を堂々と津軽三味線として出品しています。決り文句のように『詳しくないので写真で判斷してください。』などと書いてありますが…
次回は『独学は可能か?』について
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