『三味線』は『フレットレス』ですので音階ごとに押さえるポイントがあります。そのことを『ツボ』または『勘所』と言います。『ツボを押さえる!』なんて洒落っ気たっぷりですね。『三味線』の場合、ギターの『ブリッチ』に相当する『駒』の位置が変えられるため、『駒の位置』や『ハの高さ』『糸の太さ』によっても『ツボ』の位置は変わります。
まずは『弦長』(三味線では何て言うのかな?)ですが、『三味線』であまり語られていないような?一般的に『全長』や『棹の長さ』『駒の位置』の話は有るのですが…
とりあえず一般的に『駒の位置』は(津軽三味線では)『胴の端から指3本分』などと言われています。(『駒の位置』についてはまた次回説明します。)
奏者の好みで位置が違うのが『良さ』なのはわかりますが、いい加減『最初はここから』って明確な標準を決めたら良いのに!なんて思います。(流派などで決まっているのか?知りませんが…)
なので、私が勝手に決めます。
『上駒から80cmの位置に駒を掛けてください。』
位置を調整するのは音の違いがわかってからにしてください。
決まったところで、弦長80cm(800mm)とは?ギターの弦長を調べてみました。
- エレキギター レギュラースケール(Fenderストラトキャスターなど) 647.7mm
- エレキギター ミディアムスケール(Gibsonレスポールなど) 628.65mm
- エレキギター ショートスケール(Fenderムスタングなど) 609.6mm
- エレキベース エキストラロングスケール 889mm
- エレキベース ロングスケース(プレベ、ジャズベなど) 863.6mm
- エレキベース ミディアムスケール 812.8mm
- エレキベース ショートスケール(ムスタングベースなど) 762mm
エレキベースギターのミディアムスケールと同じくらいです。意外と長いですね。
『三味線』もギターのフレット同様に(基本的に)半音づつ番号が付けられています。何種類か有るのですが、ここでは『津軽三味線』で一般的に使われている『文化譜』の番号で説明します。
上の図はギターのスケールに合わせて『三味線』に『フレット』と『ポジションマーク』そして『フレット番号(ツボ番号)』を付けてみました。
ギターは『ナット』から『0』からの連番で『1オクターブが12フレット』ですが、『三味線』は『上駒』から『0』は同じですが途中に『#』『♭』が入り『1オクターブは10になります。』
紛らわしさはありますが数学的?情報処理的?に言えば『三味線12進数』って感じなのでオクターブ違いの音はイメージしやすいです。
ギターを含む楽器経験者であれば半音階は感覚的にわかると思うので数カ所に目印で付けておけばすぐに覚えられると思います。
では、楽器未経験者の人はどうしましょう!
多分、先生が『この場所でこの音!』ってことなのでしょうか?
以前の記事では『オススメしません!』って言っていたのですが、『ツボシール』『譜尺シール』『勘所シール』などの商品名で棹に貼るシールがあります。
楽器未経験初心者限定や体験用三味線に『フレットシール』貼っちゃいませんか?バイオリンなどでもやっていることです。
上のPDFファイルは弦長800mm用です。A4サイズのラベルシールに印刷して使えます。
1週間以内には剥がすなどの条件で使う分には悪くないかと思います。
ちなみに上で余ったラベルシールは『撥皮シール』に使えます。
よくある注意点をひとつ
『ツボシール』や目印を付けても『1の糸』以外は自分の目線からではズレます。(棹を斜めに構えていますから)特に高いツボでは半音近くズレます。
下の写真はテープ下側が16のツボに合わせています。
この写真『フレットシール』貼ってみました。
最後に
ある日、気付くとツボの位置が違うような?って時は『糸』が傷んでいますので『糸』を交換しましょう。
次回は(実は忘れていました。)『糸を掛ける』『駒を掛ける』です。
コメント