エレキ三味線計画【ストラップ編】ヘッド落ち

【サウンドハウス】べっ甲風津軽バチ

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エレキ化する必要性の理由として、殆どの場合、立って弾きたいって事だと思います。

そこで当然ストラップを付ける訳ですが、三味線の場合は棹側が下がってしまいます。ギターで言うところの『ヘッド落ち』と言う現象です。

『ヘッド落ち』は棹を支える必要が出てきますので当然左手の動きに制限がかかってしまい通常の演奏ができない恐れが生じます。

津軽三味線の場合、右腕で胴を固定しますのである程度のバランスまで調整できれば、その影響は軽減されます。それはストラップピンの位置で対応可能です。

今回はそれらについて考察及び実験してみたいと思います。

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津軽三味線の重心

まずは津軽三味線の重心はどこにあるのでしょうか?

先日、千正(せんまさる)さん(@Shami1000Masaru)が三味線のバランスで弾きやすさが変わる旨のツイートをされていました。

https://twitter.com/Shami1000Masaru/status/1348155808605892613

以前、紹介しました富士松亀三郎先生の著書『三味線の知識/邦楽発生法』でも同様にバランスにより弾きやすさに加えて音のバランスも変わる旨の記述がありました。

下表は『三味線の知識/邦楽発生法』からの引用に自分の『風神』を比較してみました。

他の三味線よりもかなり棹の比重が大きいことがわかります。津軽以外の三味線は高域の繊細さを重視したバランスの様です。

とりあえず、まずは所有する三味線の重心を調べてみました。

方法は単純に三味線を浮かせて指1本でバランスが取れる位置を探るだけです。

数字は胴と棹の付け根から天神方向の距離です。

  1. メイン(風神)   100mm
  2. サブ        105mm
  3. 保管1        80mm
  4. 保管2        65mm
  5. 保管3        80mm
  6. 保管4(糸巻きなし) 55mm
  7. 保管5(花梨棹)   75mm

全て棹側に重心があります。1と2は棹の重ね(厚み)が36mm程の太い棹です。太い棹の方が低音が出る傾向と感じています。(そのあたりはまた別の機会に研究します。)

ストラップを使用すると

ストラップを胴で固定した場合、重心は棹にありますので必ず棹は下がってしまいます。

それはピンの位置を変えたところで同じです。

ただし、ストラップピンの位置の違いにより、身体の中心線と胴の位置関係が変わります。

胴の位置を考えると上図の右がベストな様です。

先日2号機の改造では図よりも棹側の位置でしたので、胴の角が支点になる様に胴下部にピンの位置を変更しました。

以前より胴の位置が良いです。

ちょっと待てよ!

『ストラップを胴で固定した場合』って言ったけど…長山洋子さんや松村和子さんは糸倉(天神)にストラップつけてたなぁ…

やってみましたが、全然駄目です。

糸倉の位置は肩の位置より高いので胴がずり落ちます。何らかの滑り止めは必須です。

どうなってんの?結構なアクションしているのに…

なんか襟の辺りで固定している様な?

ヘッド落ち対策

いずれにしても重心を棹から胴に移動させなくてはヘッド落ちは改善されません。

ただし、ストラップと肩の摩擦がゼロの場合ですので、摩擦を大きくすることで軽減はできます。

対策1 滑り止め

2号機改造の記事で『ギターストラップの大定番ERNIE BALL / 40**シリーズがおすすめです。』と書きましたが、これが大問題!ナイロン製なので滑る滑る

ギターでは私にとって滑る事がメリットだったのですが…

そこで滑りにくいストラップを付ける事も良いのですが、服の生地によっては?なので、

こんなのを使ってみました。

かなり雑ですがポチポチポチと…1日放置

乾くと透明になります。ほとんど黄色い木工用ボンドみたい!

『ヘッド落ち』はかなり軽減されます。右腕の抑えがあれば落ちませんので実践ではこれだけでも十分だと思います。

対策2 胴を引っ張る?

ここからは対策1で納得しない人用(いるのか?はい、私です。)

あやみんさん(@ayamin_shami)のツイートで『ぞめき棒』なるものを知り、それがヒントになりました。

http://okachu-netshop.com/?pid=100691184

http://okachu-awadance.shop-pro.jp/?pid=113175484

胴を帯やベルト又はベルトループで固定できないか?と

胴掛け紐、カラビナ、面ファスナーストラップを利用してやってみた。

ベルトループの場所によっては、少しはいい感じなんだけど…(微妙)

右膝に向かって引っ張れればベストなのでしょうが、実用性は無いかな。

対策3 胴を重くする

バランスを変える上では最も単純な方法なのですが…

胴のサイズを大きくしたり、胴に鉛を埋め込んだり…は流石に無理なので

重さを調整できるアンクルウェイトをストラップに付けてしまう方法です。

結果、1kgでヘッド落ちは解消されますが、前傾姿勢になると胴が前に倒れます。1.5kgまで増やせばかなりバランスが良いです。両手が自由になります。

結局、胴のサイズを大きくしたり、胴に鉛を埋め込んだり…のレベルでも駄目って事かな。

全重量4kgオーバー!エクスプローラー使いの私にとっては許容範囲ですが…

対策4?

流石に三味線では演る人はいないと思うけど…

1980年代後半かな?ハードロック界隈で『ギター回し』が流行ったことがありました。

ギターキッズ達は真似をして他のメンバーにぶつけたり、ギターを落としたり…

そんな中、ZZトップのおじさんは考えました。

この手があったか…

サウンドハウス

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