私の場合、自分の趣味に関する道具はほとんど自分でメンテ・修理・改造など行っています。必要なら自作もします。エレキギター&ギターアンプ、自動車、自転車、スノーボード、そして三味線も…
三味線は他の趣味に比べて、絶対的な人数が少ないためか?
ほとんどの人が糸の張替えとクリーニング以外のメンテナンスを自分でやらない(できない)ですよね? 他の楽器もそうなのかなぁ?
仕事柄と言うよりも元来、ものづくりが好きなようで、モノの構造、仕組みなど興味がありすぎて…自分の持っているものは色々知って、色々やりたくなってしまう訳です。
三味線自体は非常に部品が少なくシンプルな構造なのでやれる箇所は少ないですができそうですよね?とは言っても、音に最も影響があるであろう『革張り』が最大の難関!私でも手を出せそうに無い…けど、気になる…やりたい…
とりあえず、できることからトライしています。
やり方は三味線職人さんとは違う箇所が多々あると思いますので紹介しません。素人なりの道具のみ紹介します。
鑢(やすり)
木工用、鉄工用、紙やすり、耐水ペーパーなど数多く持っていると便利です。
右上は『ギター用のナットファイル』上駒、駒の糸道作りに使います。
他に糸巻き調整、撥調整などいろいろな場面で活躍します。
鉋(かんな)
上2つが三味線職人用立ち鉋 ヤフオクで新品を入手しました。
中段右は自作の撥用鉋 台直し鉋の鉋台を曲線に加工してます。
中段左 台直し鉋、下2つが普通の鉋です。
【注意】鉋に手を出すと沼にハマります。
まずは切れないと話にならないので刃を砥ぐ必要があります。
そのためには、金盤、金剛砂、ダイヤモンドヤスリ、砥石も中砥 仕上げ砥 必要なら荒砥と複数、最初はうまくできないので砥ぎ用治具など…準備して、ひたすら砥ぐ!
失敗したらやり直し、ひたすら砥ぐ!
そして、台直し鉋や三味線職人用立鉋って、プロ用だから、鉋台を調整して刃を仕込んだり…ってことが必要でそのためにはよく切れる鑿(のみ)が必要になるんです。鑿もひたすら砥ぐ…
用途に応じた鉋が必要になり鉋が増える。そして、砥ぐ刃が増える…鑿も同様…
鉋が複数必要なのは紅木が硬いから…刃の仕込み勾配が違います。
通常の鉋は木材に対して鋭角に切り込んで削りますが、台直し鉋は刃が直角に当たり削ります。いわゆる『スクレイパー』です。
三味線用は更に角度が付き、鈍角に当たります。
上場通し(勘減り直し)など、この三味線用鉋を使うわけですが、無い場合、台直し鉋を逆に引けば使えます。
実はちょっとした棹のつなぎ段差削り程度でしたら↓こんなのでも削れます。
鑿(のみ)
鑿もどんどん増えていきます。
流石に一番上の『大突鑿』は必要なかったけど…
鑿って、玄能で叩いて使うイメージなので、そんなに切れる印象は無かったのですが、きちんと砥ぐと手で押しただけで軽く鉋みたいに削れるのね!知らなかった。
そして、『突き鑿』ってやつ(上の3つ)はまさに手で押して削る専用。三味線屋さんが使うのも『突き鑿』です。
そして、幅が1分(約3mm)から1分刻みであるから、用途に応じて増える…
そして、またひたすら砥ぐ…
リーマ
糸巻きの金具側はリーマで削ります。バイオリンなどは専用の道具が買えますが…
木工用小型旋盤
糸巻き仕込み用にはこんなのも作りました。(過去記事)
他には…
クランプは色々あると便利です。
あとは必要に応じて工具、治具など準備が必要かと…
最後に
刃の砥ぎ方やら、鉋の仕込みなどYouTubeの諸先輩方にたくさん勉強させていただきました。
最終的には実際にやってみないとよくわからないし、数を熟さないとうまくできない。
棹の上場通しやタメ(反り)調整、仕込み(端)調整などチャレンジしています。
やってみると大変ではありますが、全てがうまく調整できた時にはサワリの響きが違うし、弾きやすいし…
やってみて良かった!流石に仕上げ磨きは職人さんに遠く及びません。
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