相変わらず、お久しぶりなブログです。最近、気になる合皮が発売されていて試してみたいのですが、お小遣いがありません _| ̄|○
以前ヤフオク入手した花梨棹の津軽三味線、革が破れていて格安だったのですが、革を張り直して出品したところでヤフオク相場では高く売れて4~5万円ってことろでしょうかね?入手価格と革代で利益は出ません。いずれ子供の練習用に!と思って取っておいたのですが…
思いつきました!逆転の発送…革を張らずに商品価値を持たせる方法。音を出さなければ良いんです。
元になる三味線
革の破れた中古 花梨棹の津軽三味線
各部をチェック。胴と棹の仕込み部分が1.5mmほど隙間がある他は、棹、胴、糸巻き、サワリ、各部ガタツキなし、下がり(ハ)の状態等問題なし。中古ではかなり状態は良いようです。
仕込みの隙間は下棹先端のリンドウ金具が当たっていて棹が奥まで入らない様です。(金具を外すと入ることを確認)
当然工場生産品の様です。金具接着部分は段に削られていますが、その削り長さが少ないようです。
金具を外して鑿と鑢で調整して、再度接着しただけでピタリと収まりました。
※ごく一部の業者だろうけど、こんなのそのまま売ってしまうメーカーやショップ(和楽器店では無いんだろうが…)お前ら、初心者を馬鹿にして…いい加減しろよ!
作業内容
試行錯誤していたので作業中の写真は取り忘れました。
革を剥がす
まずは両面の革を剥がして、残った糊も丁寧に削り取って、剥がした箇所に亜麻仁油を塗ります。
鎹
革を剥がしてしまうので、胴がバラけないように両面四隅に鎹を打ちます。
そのまま打ってしまうと硬い木ですと割れてしまいますので1mm程度のドリルで下穴を開けてから打ちましょう。
胴に彫り込み
表側に打面&駒を乗せる板を渡すために板厚分、胴を彫り込みます。
フライス盤などあれば楽ですが今回は電動トリマーで彫りました。専用に治具を作る必要があります。(それでも失敗しましたが…それは内緒)
渡し板を作る
80mm幅、9mm厚の丁度いい板がホームセンターにあったのでそれを190mmに鋸でカット。
実際はここで胴に貼り付けて試行錯誤したのですが、先に打面用の加工をした方が良いですので…
撥が当たると想定される場所に3mm厚のゴムシートを貼ります。これは打感が板のままだと違和感しか無いので…
そのためにゴムシートを貼る場所をゴムシートの厚み分3mm掘り下げます。フライス、トリマー、鋸、鑿、鑢 好きな道具でどうぞ!
渡し板をつける
タイトボンドを使い、渡し板を胴に接着します。
これで一通り完成なのですが、打面と駒下に犬皮(破れた革を取っておいた)を貼りました。
打面は撥が当たったときの滑り感。
駒下は最初、ゴムを貼ったのですが、調弦時に駒が滑らないので糸に引っ張られて傾いてしまう事が判明。駒を壊す可能性が大きいので、調弦時に滑らせる意味で犬皮を貼りました。(駒の高さを合わせる意味もあるのですが)
完成
サイレント効果
サイレント津軽三味線の音はエレキギターを生で弾いている『シャカシャカ!』って感じです。
正面1mの位置で録音したデータを確認したところ、録音レベルで約-12dBの効果がありました。(1/4程度です。)
といっても分かりづらいので、恥ずかしいですが録音データをUPします。前半が普通の三味線、後半がサイレント三味線です。三味線以外は全く同じ条件です。
ちなみに、サイレント津軽三味線では撥の種類による太鼓を叩く音に大きな差が出てビックリしました。録音は鼈甲撥です。
売ります
私自身、サイレントで練習する必要はないので革張り費用捻出のため、売却します。
【2024/2/19追記】本記事を見ていただいた方から問い合わせがあり売却しました。
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