(追記2020/11/12)『チリチリ』から『トレモロ』に変更 『チリチリ』だと他の奏法と混乱するため
基本奏法編最終回です。『チリチリ』は奏法とは違うのですがギターで言う『トレモロ』(アームじゃない!)、オルタネイトピッキングでUP/DOWNを繰り返すやつです。ギターではとりあえずならギターを手にした初日にもできてしまうことなのですが、三味線では…と言うか撥では非常に難しいです。単純に言えば『打ち撥』と『スクイ撥』の繰り返しなのですが…
『音澄み(ねずみ)』は私自身まだ実践では使えません。 ミュート奏法のようなものです。
トレモロ
ここで言う『トレモロ』は口三味線の『チリチリ』 『3の糸』を開放以外(ツボを押さえた状態)で『打ち』『スクイ・ハジキ』の繰り返し、及び、『チリテレ』開放も含む、『打ち』『スクイ』の繰り返しを表しています。
単純に言えば『打ち撥』と『スクイ撥』の繰り返しなのですが、これを連続してやろうと思うと引っかかったり、強弱や間がバラバラになったりでうまくできません。
練習でできたと思っても人前だと力んでしまい、やっぱり駄目!
以前、先生に『撥の使い方を工夫しなさい!』とアドバイスされました。
基本的に言ってしまえば『力まない!』『撥先を深く引っ掛けない!』ってことなのですが、そこに『撥尻を持ち上げる。』などと解説されています。
『撥尻を持ち上げる。』という事は糸と撥先の角度が変わりますので、通常、糸に対して撥の面が水平程度で当てているのに対して、角度が付くことで撥の角(側面)で弾くという事がわかります。それでも撥の動き(撥の角度)によっては撥の角(Rの付いた側面または直線の底面)のどちらかが引っかかる場合があります。
そもそも基本の撥付が不安定な状態でコレを矯正したところで意味がありませんので、撥付が安定するまでは騙し騙しで良いかと思います。
結局の所は『撥付』が基本であり、諸先輩方が『そのうち出来るようになるよ!』って言うのは間違っていないのでしょう!
私自身、この『津軽三味線入門』を書き始めてから半年程度ですが、その間にも『撥付』『撥の持ち方』自体に変化を感じていますので…まだまだです。
音澄み(ねずみ)
津軽三味線では基本的な音の強弱は前後撥で使い分けることが多いですが、前撥より更に小さくする時には、撫でるように優しく弾いたり、前撥より更に前(棹の上)で弾いたり、音澄みと言うミュート奏法を使ったり、それぞれ出る音が違いますから場面に応じて使い分けることになります。
その中でも『音澄み』は奏法として独立したものとなっています。が、これも譜面上で表されることはありません。
弾き方は撥を持った右手の小指を伸ばして『駒』の『3の糸』側土台を押さえて、前撥で弾く。この時、押さえるのは指先、または第1関節など人によって違う様です。
私自身まだできませんので説明はここまでです。
単純に音を抑えるだけでしたら、『駒』である必要はなく、『革』でも良いはずですが、『音澄み』ですので『音を抑え、かつ、澄んだ音』の目的の結果が『駒』だったのでしょう。この辺は今後、研究してみたい内容です。
その他の奏法
津軽に限らず三味線としての奏法には『カエシバチ』『ウラハジキ』『コスリ』などと言ったトリッキーな奏法もあるようです。
高橋竹山先生の撥尻で弾く奏法も有名ですがポール・ギルバート先生の電動ドリルも同様、『ビックリさせたい!』『楽しませたい!』と言ったエンターテイメント要素も良いですね!
今回で『津軽三味線入門』終了します。少しでも誰かのヒントになれていれば幸いです。これからも新たに気がついたことなどがありましたら加筆していきたいと思います。
今後は楽器や楽曲としての切り口から様々な考察や検証などをしてみたいと思いますのでよろしくお願いします。
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