津軽三味線 リズム考察 その2

【サウンドハウス】べっ甲風津軽バチ

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前回、予告したとおり拍子、シャッフルビートなどを考察したいと思います。

正直、まだ自分の中で明確な回答は出ていませんので、現時点のメモ書きとしてまとめます。

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拍子

日本民謡はほとんどの曲は2拍子です。

2拍子と言っても、一般的な平たい2拍子や盆踊りなどの跳ねる2拍子などあります。

調べてみたところ、『NPO法人舞台アート工房・劇列車』様のブログ やがなおこさんの記事に興味深いことが書いてありました。

劇列車の地球的日々
劇列車の地球的日々

【上記記事からの引用】日本民謡の代表される拍子は、2拍子で構成されています。
ワルツなどに代表される3拍子系で構成される日本の民謡を耳にすることは、ほとんどありません。その理由は、日本語の抑揚(イントネーション)に大きく関わっている!というのです。

『津軽民謡は独特のリズム感がある。』と言われる所以はやはり『津軽弁』のリズムから来るのでしょう。

代表的な『津軽じょんがら節(新節)』は何の問題もなく2拍子 譜面でも2/4拍子で表記できます。所々に半間と言う1/4拍子も出てきますが…

シャッフル

『黒石よされ』などの盆踊り系の曲は跳ねる2拍子 いわゆる西洋音楽で言う『シャッフル』です。譜面では2/4拍子で表記しますが、譜面の頭に

この様な表記があります。名称はわかりませんが、ここでは『シャッフル記号』とします。3連符の前の2つが一緒になって『タッカ』となります。

シャッフルで表現できない

さぁ、皆さん問題の『津軽五大民謡』の『津軽よされ節』『津軽あいや節』『津軽三下り』のリズムです。

調べてみても『訛った3拍子』『3拍子に近いリズム』『2拍子と3拍子が混在している』など色々と表現されています。

『津軽あいや節』の譜面を調べてみますと 

小山貢先生の『津軽三味線 小山貢民謡集』では3/4拍子

加藤訓先生の『ぜったい弾ける!津軽三味線』では2/4拍子(シャフル記号は無い)

Kyle Abbott先生の『Shamisen of Japan』も2/4拍子(シャフル記号は無い)

富塚孝先生の『津軽三味線民謡曲集』では2/4拍子 途中にシャフル記号

各先生方、皆さん工夫されていますが、譜面だけでそのまま演奏しても先生方の様な演奏にはなりません。

シャッフルで表現できない→どうする?

そもそも『シャッフル』自体もJazzの世界などではプレイヤーによってタイミングが違うようですが…

私自身、採譜でいろいろ試してみましたが、『黒石よされ』などのシャッフルも含めて、3拍子表記がスッキリします。

最初に書いたとおり『拍子は2拍子』との前提で、西洋音楽の譜面ルールは無視して、あくまでも譜面上に『音の長さ』を再現できればいいかな?と思っています。

とは言っても3拍子そのままでは『ワルツ』みたいになってしまいますので、必要に応じては前回の記事にも書いていますが『7/16拍子』など『間』も表現して採譜しています。

まだまだ譜面上表現しきれない部分はあるのは重々承知していますが、音源とともにできる限り演奏に近い譜面表現を考案し、残していくことも将来的な津軽三味線継承には有効であると考えています。

今回はここまで、次回は何にしようかな?

サウンドハウス

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